作品概要
無色で透き通った水は、色も形もいかようにも変化する。色は周囲にある色を反映し、形は容器に形にそって姿を変える。滝や噴水のようにダイナミックに曲線を描きながら水飛沫をあげ、猛々しい姿をみせることもあれば、微風や少しの振動にも繊細に反応する。そのような性質のためか、水は人々に何か神々しいものを感じさせ、昔から信仰の対象とされてきた。そして、さまざまな神話や思想、思惑が水に付与された。
私たちは昔の人々が水にどのような思いを寄せていたのか、当時の人々から証言を得ることはできない。しかし1000年以上続けられてきた儀式や、数少ない残された文献や創造物、現場を見る・触る・感じるなどの五感、知恵や瞑想、身体感覚を通じて亡くなってしまった人たちのいる向こう側の世界とこちら側の世界とを横断することができる。そのときの私たちは論理的不可能性から美的可能性に移行し、感覚やイメージから新たな証言を得ている。
作品概要、また論文「沈んでしまったものたちについて」https://drive.google.com/file/d/1SlbRFeWfREFirJqhuVQiD5x0JxQtumbL/view?usp=sharing