世界がこのような状況の中自分自身の無力さを痛感し、なにができるのだろうと考える日々でした。
この現状を変えることや、誰かの悲しみを無くすこと、現状を打破することは私にはできません。
それでも、お医者さんが懸命に命に寄り添うように、
絵を描く人間ならば、絵で心に寄り添いたい。
誰かの想いを知り、寄り添い、祈ること、それならば芸術を学ぶ自分にもできることかもしれません。
世界をみること。知ること。繋がること。
その中で誰かの声に耳を澄ますこと。
自分の心の真ん中で想い続け、忘れないこと。絵を描くこと。
それがすぐに形にならなくても、その想いが積み重なり心から溢れた時、少しづつ絵になっていくのかもしれないと実感しています。
頭ではなく心で感じること。それこそが私にとって絵を描くということであり、画面に向かっていない時間も
想いを馳せるなかで、拙いながらも、それが画面の中全体に広がり誰かの心に寄り添うことができればと感じています。
渡邊 美波 Watanabe Minami
1991年生まれ
2019年 東京藝術大学 美術学部 絵画科 日本画専攻 卒業
2021年 同大学大学院美術研究科絵画専攻
日本画分野第一研究室所属