教授、同級生、家族、友人との日常的になったリモートでの対話を素材に、そこから観察されたそれぞれの人の動作の特徴から形体を考えCGで制作した。その形体をそれぞれの人の動きに合わせて動かし、実際の対話を再現した。人の外見の要素を取り除き人の動きにフォーカスすることで人の姿を違う形で表した。
画面越しの人が、その人自身のものではない顔や身体を持って語りかけてくることが増えた。例えば顔のパーツを極端に大きくしている人や、動物の耳を生やしている人。煌びやかなエフェクトをかけた人。全身がアニメのキャラクターのようになった人。画面越しだからこそ自由に自分自身を表すことができる。
自由に表すことができるのであれば、それがもし目鼻口を持っていなくても、手や足を持っていなくても、人とはかけ離れた形をしていたとしても、人だと言うことができるのではないだろうか。そのような形体であっても人の動きを感じさせることができるのではないだろうかと考えた。
録画したリモートでの対話から人の動きを観察し、特徴的な動作や繰り返している動作を再現するように動く形体をそれぞれの人ごとに制作した。出来た形体ごとに形体の形ならではの動き方を増やしていき、喋る動作や笑う動作など様々な人の動きに当てはめた。