これは3DCGと実体の境界を、実体を3DCGに近づけるという考え方で繋ぐ「懸け橋」である。 昨今VR技術や3DCG技術の発達によってバーチャルとリアルの境界について語られることも増えた。 中でも3DCGでの製作を行うものとして感じる違いは骨や肉などの構造類、中身の有無であり、3DCGはリアルを追求する ためにポリゴンやテクスチャの表現によって中身を感じさせる努力をしてきた。 今までバーチャルとリアルの境界という概念は情報から実体へという一方通行の考え方であったが、今回の作品では実体において画面上でしかあり得ない見え方をする形に焦点を当てた。実体としてあるべき面が見えない、画面上のエラーでしか存在し得ない形は異質さを感じさせるが、バーチャルとリアルの境界がなくなった近い未来においては自然な出来事かもしれない。