彫金[学部]|Metal Carving [Bachelor]

暮らしの痕跡|安田 優子

銅/打ち出し

Traces of living | YASUDA Yuko

copper/repousse
H115cm × W150cm × D10cm
作品写真:暮らしの痕跡|Photo:Traces of living

「暮らしの痕跡」は、作者が身近な風景の中に発見した人々の暮らしの記録である。
掲示板の貼り紙の跡のような、普段気にすることのない風景からも、そこに生きていた人々の活動を想像することができる。
もしそれらの痕跡が1万年、1億年後まで遺されたら、その時代に生きる人(あるいは人ではない新生物かもしれない)は何を思うだろう。我々が紀元前の動植物の化石から様々な想像を膨らませるように、この時代の風景や文化をどうにかして知ろうとするのだろうか。
もちろんその答えを直接知ることはできない。しかし、身近な街で見つけた痕跡を作品として記録することを通じて、同じ時代に生きる人々の暮らしを想像する自分と遠い過去を想像する未来の誰かを重ね合わせられないかと考えた。
この作品で用いる打ち出しという彫金技法は金属板を何度も叩いて少しずつ目的の形に成形する。それはまるで人が生活することで街に暮らしの痕跡が増えていくように、そして生物が死後長い時間をかけて圧迫され化石になっていくように。

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