毒団子をめぐっての貓と鼠の知覚の関係とキルティングによる映像インスタレーションである。Tactile,Tangibleと形容できるような表現や素材によって探求する。
キルティングの糸と布の結節点とヒゲの構造は似ている。猫や鼠のヒゲはセンサーになる。知覚できるからこそ彼らはテリトリーを占有する。キルティングもまた用途に合わせて糸や生地の追加をし、あるいはパターンを動かしながら縫い止められ布自体が空間を占有していく。いいかえられるなら、ヒゲもキルティングもパースペクティブを担う。毒団子はそうした中でどう Detect されるのか。
毒団子で鼠を殺すと猫が同時に死ぬ。あるいは猫が死んで鼠は 生きている。または猫も鼠も生きている。ここでは毒団子のせいで生き物が遺体になってしまう危険性がある。また遺体は毒団子に限りなく近 くなってしまう。