Xジェンダーの刺繍
人間の場合、妊娠してから3,4ヶ月までは両性具有であり、男か女かの完全なセクシュアルは、イメージの間にしか自分を持ち得ない。我々生物には、無数の性のグラデーションがあり、絶えず混じり合いながら運動している。性を決めるのは混合比率でしかなく、人間は社会や道徳によって性を二極化し固定化している。
輪廻の写真
過去が未来を彷彿させる。世界各地で捉えたイメージを再構築し、新しい宇宙をつくった。地球は宇宙であり、自分も宇宙である。宇宙はイメージの連続である。
夢遊病の日記
生まれた時に会ったきりの叔母が亡くなってから、不思議な出来事が起こるようになった。異世界からのコンタクトだったのか、自分が神隠しにあったような体験だった。感覚を通して、確かにそこに存在するものがある。
黒目 天麗沙 [mefohja]
1997 インドネシア生まれ、広島・出雲育ち
2016 東京藝術大学美術学部先端芸術表現科 入学
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インドネシア人の母と日本人の父を持つハーフであることから、異なるモノ<次元・場所・言語・人格>を一つにする表現に取り組み、あらゆる境界線をなくすことを目指しながら、写真・映像・デザイン・刺繍・平面など多岐にわたる制作活動を展開している。
自然崇拝の信仰を持ち、神道や仏教、バリヒンドゥーの影響を受けた。
”mefohja”という作家名は、前世の人魚の名前。小惑星 2019okが地球に接近していた時、海を泳ぐ人魚の姿のヴィジョンが蘇り、”mefohja”と囁く声が聞こえてきた。一年前のiPhoneのメモに”メフオージャ”とあるのを見つけたが、書いた記憶は無かった。幼い頃、天水という名の湧水の前で両足を骨折し、ドルフィンクラブというスイミングスクールに通っていたことから、そう信じるようになった。
世界を旅しながら、人々の温もりと強く生きる美しさを学んだ。様々なものが溢れる現代において、本質的な「豊かさ」とは何かと、これからも問い続ける。